法テラスで債務整理をすると安いの?法テラス利用のメリットや流れを紹介
「債務整理したいけれど費用が心配」「できるだけ安く債務整理をしたい」と考えている人が多いですよね。
法テラスなら、費用を立て替えてくれるので安く債務整理ができます。しかし、いくつかデメリットがあるので注意が必要です。
そこで今回は、法テラスを利用するメリット・デメリットを紹介します。法テラスを利用する流れも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
記事の目次
法テラスで債務整理をするメリットは5つ!
まずは、法テラスで債務整理をするメリットについて解説します。法テラスで債務整理をするメリットは主に5つです。
弁護士事務所に相談した場合との比較も紹介するので、借金問題をどこに相談しようか迷っている場合はぜひ参考にしてみてください。
法テラスを使うと安い料金で弁護士に依頼できる
法テラスは、比較的安い料金で弁護士に依頼できるのが魅力です。
例えば、法律事務所に任意整理を依頼した場合の平均費用は約30万円ですが、法テラスに依頼した場合は約14万円です。
減額報酬を請求されないため、その分も安くなります。個人再生の場合は、法律事務所が約47万円、法テラスが約20万円と半額以下になっています。
法テラスだと住宅ローン特則を使いやすい
法テラス経由で弁護士に依頼すると、住宅ローン特則を使いやすいのもメリットです。個人再生の手続き後も住宅に住み続けられる制度である「住宅ローン特則」。
弁護士に個人再生を依頼した場合、手続きの複雑さから報酬に上乗せされるケースが多いです。
しかし、法テラス経由で依頼した場合は、住宅ローン特則を行ったことによる上乗せがありません。「住宅ローン特則を利用したいけれど費用が心配」と悩んでいる場合は、一度法テラスを利用してみるのがおすすめです。
法テラスなら自分で弁護士を探す手間を省ける
法テラスは、自分で弁護士を探す手間を省けるのもメリットです。
自分で弁護士を探す手間を省けるので、仕事をしながら債務整理を進めたい人におすすめです。
自分と合う弁護士が見つかるまで、法律事務所を何件もまわるのは億劫ですよね。
法テラスを利用すれば、自分に合う弁護士の探し方が分からない方でも安心です。いきなり法律事務所に相談するのが怖い場合は、まず法テラスで相談してみるのもよいでしょう。
弁護士費用の立て替えに対応している
法テラスを介して弁護士に依頼した場合、法テラスが弁護士費用の立て替えに対応してくれます。法律事務所に直接依頼した場合は、初期費用や成功報酬を求められることがほとんどです。完全後払いのところも少ないので、ある程度のお金がなければ利用できません。
しかし、法テラスなら初期費用を請求されないほか、成功報酬を請求される心配もありません。現状手元にお金がない場合でも弁護士に依頼できるので、一括で払える可能性がない人はぜひ相談してみてください。
分割払いに対応している
法テラスを介して弁護士に依頼した場合、弁護士費用は一旦法テラスに立て替えてもらうことができます。
いずれ払う必要はありますが、分割払いに対応可能なので、一括で支払う負担を背負う心配はありません。
毎月5,000円~1万円の分割払いなら、弁護士事務所に直接依頼した場合より費用負担を抑えられるはずです。特別な事情があったり、生活保護を受けていたりする場合など一定条件を満たす場合は、支払い猶予や免除が検討される制度もあります。
法テラスで債務整理をするデメリットは3つ!条件を満たす必要がある
ここからは、法テラスで債務整理をするデメリットについて解説します。
法テラスを介しての債務整理には多くのメリットがありますが、いくつかデメリットもあります。あらかじめ確認しておかないと「法テラスで債務整理しなければよかった」となりかねませんので、必ず確認してください。
法テラスの利用には条件がある
法テラスの利用には以下の3つの条件が設けられています。
条件に当てはまらない場合、相談が有料になったり、債務整理が利用できなかったりする場合があります。
相談に訪れてから「条件を満たしてないため契約できません」とならないためにも、自分が当てはまるかどうか確認しておきましょう。なお、適法な在留資格がない人や日本に住所がない人は利用できません。
【収入が基準以下かどうか】
法テラスを使用する場合、申込者と配偶者の手取り月収額をチェックされます。例えば、世帯人数が1人の場合は申込者の手取り月収額18万2000円以下であるかどうか、配偶者と合算した場合でも20万2000円以下であるかどうかが基準となります。
家賃や住宅ローンを負担している場合は、加算可能額が異なるので、その点も確認してください。
【保有資産が基準以下かどうか】
法テラスを利用する場合は、申込者の保有資産が保有者の基準以下かどうかもチェックされます。
保有資産の基準は世帯人数によって異なるので、自分の世帯人数と保有資産額をチェックしておきましょう。世帯人数ごとの保有資産額の基準は以下の通りです。
- 世帯人数1人:180万円
- 世帯人数2人:250万円
- 世帯人数3人:270万円
- 世帯人数4人:300万円
後から慌てないためにも、事前に確認しておきましょう。
【勝訴の見込みがあるかどうか】
法テラスを利用する場合は、勝訴の見込みがあるかどうかもチェックされます。
例えば、全く借金を返済した履歴がない場合は、勝訴の見込みがないので利用できません。また、氏名や生年月日を偽っていたり、財産隠しを行っていたりする場合も利用できない可能性があります。
担当弁護士を選べない
法テラスを介して債務整理する場合は、担当弁護士を自由に選ぶことができません。法律事務所に直接依頼した場合は自由に選べますが、法テラスの場合は向こうから決められます。
また、法テラスを介す場合は、弁護士を紹介されるまでに時間がかかる場合があります。
少しでも早く借金問題を解決したい、早く減らして楽になりたいと思っている人は、借金相談が無料の弁護士事務所や司法書士事務所に相談に行く方が向いているかもしれません。
なお、自由に弁護士を選びたい場合は、「法テラスにも所属」など持ち込み方式を取っている事務所を探すとよいでしょう。
直接依頼するより審査に時間がかかる
法テラスを利用する場合は、弁護士事務所や司法書士事務所に直接依頼するより審査に時間がかかる場合が多いです。
その審査で基準を満たさなければ、弁護士を紹介してもらえません。
一般的に、審査には2週間以上の時間を要します。催促が止まるのは、審査に通って弁護士と契約し、その弁護士が送った受任通知が金融機関に届いたあとです。
法テラスで債務整理をする流れを詳しくチェック!
ここからは、法テラスで債務整理をする場合の流れについて解説します。
スムーズに進めるためにも、事前に流れを把握しておくことが大切です。以下では、流れを具体的に解説するので、ぜひ参考にしてください。
メールや電話で問い合わせる
法テラスを利用する場合は、まず法テラスに無料相談を申し込みましょう。
法テラス地方事務所で申し込む方法と、法テラスと契約している弁護士事務所から申し込む方法の2つがあります。
必要な書類は以下の通りです。
- 法律相談表
- 援助申込書
- 収入を証明できる書類(確定申告書の写しや年金証書など)
- 世帯全員の住民票の写し
- 資力申告書
- 債務一覧表
- 督促状
- 認印
- 身分証明書など
法テラスの地方事務所だけでなく、法テラスのホームページや法テラスと契約している弁護士事務所からでも入手可能です。
無料相談を受ける
申し込みをして審査に通過したら、無料相談を受けることができるようになります。法テラスと契約している弁護士と債務整理について話し合いましょう。
弁護士と委任契約を結ぶ
無料相談後に債務整理の依頼をすると、法テラスが受任可能な弁護士を選んでくれます。
無料相談時の弁護士がそのまま担当になるとは限りません。
立て替え費用を返還する
法テラスに立て替えてもらった費用は返還する必要があります。あくまでも立て替えであり、完全無料で債務整理できるわけではありません。
債務整理の契約締結から2ヵ月が経つと返還請求されるので、毎月1万円ずつ返済していきましょう。
法テラスでなく、弁護士事務所へ債務整理を依頼するメリットも知っておこう!
ここまで、法テラスを利用する方法を紹介してきましたが、弁護士事務所へ依頼する場合がどうなのかも気になりますね。
そこで、ここからは弁護士事務所へ依頼するメリットを紹介します。迷っている方必見です!
自分で好きな弁護士を選べる
弁護士事務所に直接依頼する場合は、自分で好きな弁護士を選ぶことができます。
法テラスの場合は弁護士を指定されますが、弁護士事務所への依頼なら自分に合った人を選べます。
事前の相談時に対応してくれた弁護士をそのまま選ぶことできるので、信頼関係を築きやすいでしょう。
いつでも気軽に相談できる
借金を抱えていると、取り立てや催促などさまざまなことが心配になりますよね。何かあったらすぐに専門家に相談したいところですが、法テラスの場合は、1事件につき相談は3回までと定められています。
しかし、相談料が無料の弁護士事務所なら、いつでも気軽に相談できたり、回数制限が設けられていない場合もあります。
早く着手してもらえる
弁護士事務所に依頼した方が、早く着手してもらえるのもメリットです。
弁護士事務所に依頼する場合は審査が必要ないので、即日依頼も可能です。
借金の悩みは法律事務所にも相談してみよう!
今回は、法テラスを介して債務整理をするメリットやデメリットについて解説しました。
法テラスは、経済的に苦しい借金を抱えている方におすすめです。
また、現時点ですでに催促を受けている人である場合、すぐに督促をストップさせられない可能性が高く、法テラスでの債務整理は向かないかもしれません。
もし今すぐにでも催促を止めたいと考えている場合は、法テラスではなく、弁護士事務所へ借金相談する方が、より早く問題解決が望めるためおすすめです。